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音大に行きたい!と考える社会人の方へ

音楽に限らず、一度社会に出てから大学や大学院に戻って勉強する方が増えています。これから勉強してみたい、頑張ってみたい!と思われる方の何かの参考になればと思い、思いつくことを簡単に書いてみます。

ご注意とお願い:具体的な問題に関しては学校なり指導を受けている先生にご相談ください。受験の意思を伝えることが実現の第一歩になりますので...


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目的と選択肢を考える

音大進学には費用がかかります。音楽の場合は、投資したものが金額として回収するという性質のものではないかもしれません。また、勉強を続ける限り出費は続きます。物には限度があるにしても、勉強に伴う出費については「ある程度」の割り切りは必要です。
また、音大に行くばかりが音楽の勉強ではないということが分かった上で、それでも敢えて行こうと思うには、それなりの理由があるのではないかと思います。自分なりの目的を意識して考えてみましょう。

先生に相談する

今師事している先生に、真っ先に相談すること。レッスンの方針が変わるかもしれませんし、場合によっては受験のために先生を変えることになる場合もあります。

興味に応じた学校、学科を探す

演奏系の他、楽理、音楽ビジネスなど、様々な学部があります。目的に適った学科を探しましょう。また、社会人入学が可能な学校もあります。

オープンキャンパス、進学説明会に行く

必要な勉強のこと、レベルのこと、社会人の受け入れ状況に関する大学の考え方など、気になることを確認しに行きましょう。

受験に必要な科目の先生を探す

実技の先生に相談して紹介していただくか、受験専門の予備校もいいかもしれません。ただ、現役生の伸びは大人の比ではないので、クラス授業に大人が混ざるのは精神的に辛いことがあるかもしれません。個人レッスンがある学校もあるので確認を。演奏系の学科の場合、専攻の他に、副科ピアノやソルフェージュのレッスンを受ける場合が多いです。普段習っている先生の他に、受験する大学の先生のレッスンを受ける場合も考えられます。

十分な準備

少子化、不況などの影響で音大進学者は減少傾向にあり、10年前と比べると大分入りやすくなった学校もあるように思います。行こう、と決めたら次の年にでも入りたい気持ちでいっぱいかもしれませんが、試験科目を余裕をもって得点できるだけの力と、ある程度は勉強に専念するための資金面の準備のためにも少し時間を取った方がいいかもしれません。
声楽などでは、高3の夏に決めて、それからすべての勉強を一から始めて現役で合格する人もいます。でも彼らは10代。専攻実技はもちろん、ピアノでもソルフェージュでも頑張ればそれ相応に力をつけることができますが、大人はさすがに同じようにはいきません。また、楽典聴音は満点でも普通という科目です。本番で力が出せなかった場合のことも考えると、普段の力で安全圏の点が確実にとれるようになっていた方が安心です。また、ソルフェージュは入学したら当然ながら受験レベルより先のレベルの課題をこなしていくことになりますが、受験が終わった後で、専攻実技を優先しながら他の科目の補強をするのは本当に大変です。受験する学校の試験問題が完全回答できるくらいに力をつける意気込みで頑張ると、入ってからの苦労が少なくてすむと思います。

講習会

私立であれば少なくとも受験する年の冬期講習には行った方がいいです。仕事があっても何でも、合格したいのであれば極力行きましょう。学科試験の傾向が分かったり、実技が合格レベルに達しているかなどの相談もできます。大学の先生につてがない場合、講習で習った先生に受験までレッスンをお願いして、入学後も引き続きみていただくこともよくあります。

芸術祭

もし可能であれば、希望する大学の芸術祭に遊びに行くといいと思います。大学の雰囲気が出ますし、受験勉強の合間に音楽漬けの一日を過ごすとリフレッシュして、改めて勉強頑張ろう!と思いますよ(^^)

講義概要

入学後の生活がより具体的に考えられ、モチベーションが高まります。私の大学では冬期講習のときにその年の講義概要が入手できました。

ショートカット

大学となると時間もお金も労力もかかります。社会人入試や3年次編入、これまで音楽の勉強を続けていて大学より先の勉強をと思えるなら大学院を受ける...いろいろな方法があります。費用が問題になるのであれば、大阪芸大には通信制の学科があります。関西以外の方にはスクーリングが負担かもしれませんが、選択肢にはなると思います。または海外の大学の音楽専攻の通信教育、という方法もあります。
また、すでに大学を卒業している場合、入学後に手続きをすることで一般教養に相当する科目の履修が免除になります。

長期のお仕事計画

正直言って、真面目に勉強するならバイトしてる暇はありません。でも実際には私立でも学費を自力で工面している人はいます。でも、せっかく入った大学でバイトに追われて勉強どころではない...なんてもったいないですよね。十分な資金計画を立てるということと同時に、何か音楽以外である程度稼げるスキルなり資格なりを考えておくと安心かもしれません。または再就職することも想定して、出た後のことも考えてみるといいと思います。もちろん状況は人それぞれですが、もし自分の力でこれからも勉強を続けて行くのであれば、大変でもこうしたことを考えながらキャリア計画を立てていった方がいいと思います。

お支払い計画

私立で全額自費だとしたら、4年分の学費の全額を先に貯められる人はそんなにはいないと思います。でも、育英会などの奨学金が併用できると、貸与額によっては年間の学費が国公立並みに抑えられます。育英会は予約申し込みがありますが、入学後の申し込みの場合、最初の振込みは7月中旬に4月からの4ヵ月分、以後毎月振り込まれます。もちろん卒業後は返済するものなので(^^)、在学期間に学費稼ぎに振り回されず、かつ卒業後の返済(お仕事)計画が大事です。
尚、どの奨学金でも、募集より申し込みが多い場合は成績順に採用が決まるようです。1年生は(何年前に卒業していても、また別の大学を卒業済みでも)高校卒業時の成績、です。卒業後20年経つと高校で成績の記録を処分するそうで、その場合は入試の際の成績で選考するとのことです。
奨学金は育英会以外にもいろいろあります。また大学の後援会で銀行と提携して在学中は利子分を負担してもらえる、という形の提携ローンもあります。
また、もしお家の援助が期待できるのであれば、ここは頭を下げてお願いするのも方法です。実際問題として在学中に学費稼ぎに走ると、特に私立の場合は勉強どころではなくなるので...

国立か私立か

一般的に音大、と考えて真っ先に浮かぶのは芸大、という方が多いと思います。芸大は現役生ばかりでなく20代〜30代で入学する人も珍しくないそうです。専攻によっては40代、50代で入学される方もいます。ただ、ご存知の通り入るのは大変(>_<)。また他の国公立も時世柄もあってか現役受験生が多く、どこも倍率は高いようです。
こうした状況で仕事をしながら受験勉強を続けて行くと、時に受験を止めるかどうか、の選択に迫られることがあるかもしれません(誰に迫られるということではなく、あくまで自分の中で)。費用の面、レベルの面でも頑張って国公立に入れれば言うことないのでしょうが、もしそういう悩みにはまってしまったときは、国立でないと駄目だから...と最初から諦める前に、他の大学に目を向けることも考えてみてください。受験勉強を続ける数年の間に他の大学を卒業できるかもしれません。時間の方が大事、という観点はあると思います。奨学金のところでも書きましたが、奨学金と併用できれば私立でも当面の学費は国公立並みに抑えることが可能です。

最後に

私も勉強するために音大に絶対行かなければと思って進学したわけではないのですが、それでも大学という場所に身を置いて頑張ることで得るものはたくさんあるように思います。是非希望を実現してください(^^)

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